冬の煮物「かぶの旨味をいかす風呂吹き」
今回は風呂吹きかぶの作り方をご紹介したいと思いますので、お役立てください。
また、風呂吹きの語源につきましては≫「かぶで作る風呂吹きとは!煮物の語源、由来~料理用語集」に掲載しておりますので参考にしてください。
かぶの風味をいかした煮物
風呂吹きかぶの作り方
かぶは大根に比べると甘味が強くてやわらかいですから、風味をいかすために「昆布だし」で煮てください。
※ 炊き合わせのかぶは、かつおと昆布のだしで煮ることが多いですが、味が他の煮物に負けないときは「昆布だし」でも大丈夫です。
そして、風呂吹きは「かぶが主役の料理」ですので、あえて旨味の濃いだしは使わず、食材の持っている風味をいかしてください。
風呂吹きかぶ「下ごしらえ」
【1】最初に、かぶの上下を水平に切り落とし、皮を厚くむいてください。
「注意点」
■ かぶや大根を、やわらかい煮物に仕上げるコツは、外皮のひと回り内側にある繊維の強い部分まで厚めに皮をむくことです。
そして、この部分がついていると、食べたときに筋が口の中で残りますので注意してください。
昆布だしで煮る工程
【2】次に、かぶを鍋に入れ、約2倍の高さまで水を加えてください。
このあと、だし昆布を入れて強火にかけ、ひと煮立ちさせたあと、中火におとしてアクを取りながら、やわらかくなるまで煮含めてください。
【3】そして、白みそ、または赤みそに酒、砂糖、みりん、卵黄を加えた「玉みそ」を作ってください。
「玉みそ」は保存が利きますので、あらかじめ作っておくと、調理が手早くでき、田楽や酢みそ和えにも役立ちます。
■ 玉みその作り方につきましては≫「田楽や酢みそ和えに使える玉みその割合3つと簡単な作り方」に掲載しております。
風呂吹きかぶ「仕上げ」
【4】玉みそを煮切り酒でのばして、やわらかくしてください。
そして、この中にゆずの皮をおろし金ですったものを加えて「ゆずみそ」を合わせてください。
【5】このあと、かぶを温めて器に盛りつけ「ゆずみそ」をかけると「風呂吹きかぶ」の完成です。
かぶのむいた皮の利用方法
かぶの皮は厚めにむきますが、やわらかいですから葉と一緒に漬物に利用できます。
かぶの簡単な甘酢漬けの作り方
最初に、甘酢を【酢:水:砂糖】が同量の【1:1:1】で合わせてください。
この分量を、お玉ですりきり1杯ずつ鍋に入れ、火にかけて砂糖を煮溶かしてから、冷やしてください。
そして、かぶの皮と葉を細かく刻み、2つを別々に塩もみして約30分間、塩をなじませて軽く絞ってください。
※ この塩が多すぎると塩辛くなりますので、しんなりする程度に加減して加え、たらないときに追加すると失敗が減ります。
このあと、先ほど風呂吹きで使った昆布も細く刻んでください。
そして、甘酢に皮と一緒に漬け込んで、種を取ったタカの爪を少量加え、味を一晩、なじませてください。
「注意点」
■ このときに葉を一緒に漬けると、緑色が悪くなりますので、食べるときに葉を甘酢で和えたものを混ぜてください。
そして、糸花がつおを加えると「甘酢漬け(土佐和え)」の完成です。
土佐和えの土佐とは、かつおを使う料理につける名称です。
土佐の詳しい内容につきましては⇒「和食の煮物用語集、土佐煮」に掲載しております。
■ かつお節の他にも梅肉やゆかり粉(赤じそのふりかけ)などを加えると、梅の風味を味わえ、かぶを無駄なく使いきれますので参考にしてください。
冷凍保存が利くかぶの皮の利用法
もうひとつ、かぶの冷凍保存が利く方法をご紹介いたします。
皮と葉を刻むのは先ほどと同じ方法で、この2つを一度下ゆでしてから冷凍保存してください。
そして、保存しておいたものを、蒸し物にかける「あん」に入れたり、ちりめんじゃこと一緒にゴマ油でさっと炒め、醤油で香りを加えて白いご飯に混ぜると、また違った味が楽しめますので、こちらも参考にしてみてください。
※ 風呂吹きを大根でされる場合は、苦みが強くて繊維がかたいですので、下ゆでしてから作ると美味しくいただけます。
【かぶの関連レシピ】
⇒「冬が旬の2つの食材で煮る」
他の煮物用語や料理の語源につきましては≫「煮物の語源や由来【料理用語集一覧】」に掲載しております。
⇒八方だしを使った煮物一覧
⇒「食材の下ごしらえ一覧」
⇒「野菜の煮物レシピ一覧」
⇒「魚介の煮物レシピ一覧」
⇒「肉類の煮物レシピ一覧」
【参考】
⇒「季節別、旬の食材一覧表」
⇒「煮物に役立つ飾り切り一覧」
煮物作りにお役立てください。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。