なすを色よく煮る3つの方法【色出し煮のコツと煮汁割合】

なすを色よく煮る方法3つ【色出し煮のコツと煮汁割合】

今回は茄子(なす)の煮物を色よく仕上げる方法と色だし煮のコツ、そしてミョウバンの使い方をご紹介したいと思いますので参考にされてはいかがでしょうか。

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なすの色だし煮と煮汁割合

なすの色だし煮3つ

なすを色よく煮る方法は皮をつけたまま、きれいな青紫色にする方法が2つと皮をむいてから冷やした煮汁に浸けて味を含ませるやり方の計3つがあります。

先の皮をつけたまま煮る2つにはミョウバン水に浸けてアク抜きをし、油で揚げて色止めをする「揚げ煮やオランダ煮」と呼ばれる料理と、鉄の成分となすが持っているアントシアン系色素の反応を利用した煮物があり、下の写真が揚げて煮たときの一例です。

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【関連】⇒「椎茸の飾り切り方法はこちら

そして、もう1つの皮をむいてから味を含ませる方法が「なすのひすい煮や焼きなすの煮びたし」といわれる料理で、揚げてから煮汁に浸したものを「揚げびたし」と呼んでいます。

また、この「揚げびたし」は皮をつけたままで作る上記2つの内の1つでもあり、なすに切り込みを入れるのに少し技術が必要ですが、コツをつかむと簡単に作れますので是非覚えてください。

①なすを色よく煮る方法とコツ

最初に皮をつけたまま下揚げしてから煮る一般的な作り方をご紹介いたします。

揚げ煮の作り方

(材料)

なす 3本
だし汁 600㏄
みりん 100㏄
濃口醤油 100㏄
砂糖 大 2
たかの爪 1/2本
揚げ油 適量
ミョウバン 100㏄

「作り方」

【1】まず、なすを縦半分に切って、全体に約2㎜間隔で深さ2/3までの切り込みを入れて食べやすい大きさ(5㎝程度)に切り分けてください。

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■ 切り込みが入れにくい場合は、なすの手前と向こう側に割りばしや薄いかまぼこ板などを置いてください。そして、力を入れずにゆっくりと包丁を動かすと切り離してしまう心配がなくなり、刃がかけたり傷がついてしまうこともありません。

また、包丁を使うのが苦手な方は竹串で突いて穴を開け、火の通りをよくする方法でも作れます。

(竹串の場合、なすに穴が開きますので見栄えは悪くなります)

【2】そして、水1000ccに対して耳かき2杯程度のミョウバンを入れた水の中に、なすの皮目を下にして約30分間浸けてアク抜きをしてください。

(ミョウバン自体に色止めの目安量が表示されている場合は、その分量でミョウバン水を作ってください)

■ ミョウバンはスーパーや薬局などで販売されていますのですぐ手に入ります。

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このアク抜きをする場合、なすが浮いて全体がミョウバン水に浸からないですから、落しブタや水を入れた同じ大きさのバットを重ねる、あるいはキッチンペーパーや手ぬぐいなどをかぶせて全体が水中に入るようにしてください。

↓↓↓

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煮汁の簡単な割合レシピ

だし汁 600㏄
みりん 100㏄
濃口醤油 100㏄
砂糖 大 2
たかの爪 1/2本

【3】だし汁600cc、醤油100cc、みりん100cc

⇒ だし:醤油:みりん「6:1:1」の割合です。

そして、たかの爪を加えてひと煮立ちさせ、よく冷やしてください。

※ たかの爪は入れすぎると辛くなって小さな子供さんや辛い料理が苦手な方が食べられなくなりますので少量で大丈夫です。

【4】このあと、なすの水分を十分取ってから約160℃で下揚げしてください。

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注:このときに、なすの水分をしっかり切っておかないと油が跳ねてヤケドをしますので十分注意してください。

(揚げ時間の目安は約3分です)

【5】そして、下揚げしたなすに熱湯をかける、または湯の中にさっと通して油抜きをし、水気を十分に切ってから先ほど冷やしておいた煮汁に浸けて味を含ませてください。

「油抜き」

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↓↓↓

「地浸け」

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※ 和食では煮汁や調味だしのことを「地」と呼んでいて、吸い物だしを「吸い地」、八方だしを「八方地」ということがあります。

【6】この状態でラップフィルムやキッチンペーパーを上にかぶせて全体が煮汁につかるようにし、半日ほど味をなじませると「なすの揚げ煮(オランダ煮)」の完成です。

↓↓↓

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■ 写真のピーマンと椎茸は油で揚げて濃いめの吸い物だし「吸い地」に浸けて味を含ませております。

【関連】

⇒「吸い物に味つけするコツ

~「美味しく感じる理由と吸い物の割合

⇒「菊花椎茸の飾り切り方法とコツ2つ

⇒「他の飾り切りとコツの一覧はこちら

なすを揚げるときの注意点

■ 揚げ油の温度が高いと一気に色が悪くなりますので高温にしすぎないようにしてください。

また、揚げ時間が長いと表面がこげてきれいに仕上がりませんので、こちらも注意をしてください。

※ ミョウバンで色出しする揚げ煮の場合、色はきれいに仕上がりますが、皮が少しかたくなって味も若干落ちます。

「オランダ煮の語源、由来」

この方法を「オランダ煮」と呼ぶのは下処理に油を使うためで、材料をネギやトウガラシで調味した料理にも、この名がつけられています。

「オランダ」とは

そして、料理名にオランダの名をつける理由は、室町時代~江戸時代にかけてオランダやポルトガルなどから伝えられた調理法が使われているためで、当時はオランダがヨーロッパ諸国の代名詞であったとされます。

また、同じような意味の料理に「南蛮煮や南蛮漬け」などがあり、揚げてから味を含ませる煮物は相性の良い油を使うことでツヤとコクが出ます。

【関連】⇒「南蛮漬けの作り方と酢の割合

鯵なんばん,あじの南蛮漬け

②なすを色よく煮る方法とコツ

油で揚げずに鉄鍋で煮る方法

こちらの方法で煮ると青黒いツヤのある仕上がりになります。

(材料)

なす 3本
だし汁 800㏄
みりん 100㏄
濃口醤油 50㏄
薄口醤油 50㏄
砂糖 大 2
糸花削りがつお 少々

この鉄鍋で作る場合は、なすに対してたっぷりの煮汁で煮てください。

「作り方」

【1】なすの両端を切りそろえて縦方向に浅く包丁目(筋目)を入れてください。

そして、真水の中に約10分間浸けてアク抜きしてください。

(包丁目は皮だけを切るような深さです)

【2】鉄鍋に分量の煮汁を合わせてひと煮立ちさせてください。

色出しのコツとポイント

このときに鉄製の鍋で煮るのが色を出すポイントで、さらに色よく仕上げるため、この煮汁に、きれいに洗浄した鉄くぎを束ねて一緒に入れることもあります。

■ 鉄鍋がない場合は鉄くぎだけでも、ある程度の色は出ます。

【3】このあと、煮立ったところに水気を切ったなすを入れて中火の強火で沸騰させないように火を通してください。

このとき、アクが出ますので丁寧に取りのぞいてください。

【4】そして、なすに火が通ったところで火を止めて、鍋底をこおり水にあてながら粗熱を取ってよく冷やすと油で揚げない「色出し煮」の完成です。

盛りつけるときに削りがつおをのせると見た目がよくなり、相性の良い練りごまをだし汁でのばしたものをなすに少量添えると、ひと味違う楽しみ方ができます。

そして、青味野菜が必要なときは下ゆでしたインゲン豆や絹さやなどを煮汁が冷めたあと、一緒に入れおくと同時に味つけができます。

※ 緑色をより鮮やかにする場合は濃い目の吸い物だしで味を含ませてください。

【参考】

だしを使わずに青味野菜に味つけする方法につきましては≫「青味野菜の色を長持ちさせる【みしお】とは」に掲載しておりますので参考にしてください。

③なすを色よく煮る方法とコツ

色よく煮る3つめの方法は、揚げなすの皮をむいてから煮汁に浸けて味を含ませる「ひすいなす」という料理す。

⇒「八方だしの作り方と煮汁の応用

【関連】

⇒「天だし、麺つゆ、湯豆腐だれ

つけだれの作り方と簡単なコツ

⇒「ひすいなすの語源、由来とは

八方だしの割合と作り方

焼きなすや揚げなすの煮びたしは、だし汁:薄口醤油:みりん8:1:1で合わせてください。

そして、この割合を1本のお玉で杯数を順番にかぞえながら鍋に入れ、同じお玉で煮汁をかき混ぜると洗い物も少なくて済み、そのまま最後まで仕上げられます。

焼きなすの煮びたしの作り方

【1】鍋に8:1:1の煮汁を合わせてひと煮立ちさせ、つめたく冷やしてください。

そして、甘味を補うときは少量の砂糖を加え、あっさりとした味に仕上げる場合は入れずに煮汁を作ってください。

【2】このあと、なすを焼いてください。

なすを焼く場合は焼きアミを直火にかけ、ある程度アミが熱くなったところでなすをのせて表面の皮をこがすように焼いてください。

煮びたしのコツ

■ なすを焼く前に縦方向の切り込みを皮目に浅く数か所入れておくと、焼いたあとの皮がむきやすくなります。

そして、焼けたなすの皮をむき、冷やした煮汁(八方だし)で味を含ませると、香ばしさが残って風味良く仕上がります。

【3】この状態で半日ほど味をなじませると完成です。

焼きなすの煮びたし「応用編」

なすを浸けた香ばしい煮汁を一度こしてクズを取りのぞき、盛りつけに使わなくなった湯飲み茶碗や小さい容器に切り分けた焼きなすと下ゆでした海老、オクラ、細く切ったショウガ(針しょうが)などを入れて、煮汁にゼラチンや寒天を煮溶かして冷やし固めると「なすのゼリー寄せ」が作れます。

そして、かけるソースは、なすと相性が良い練りごまを同じ煮汁でマヨネーズ状のやわらかさにのばし、少量の砂糖で甘みを加えて、塩で味をととのえると簡単に作れます。

■ 練りごまはイチジクとの相性も良いです。

【関連】

⇒「針しょうがの切り方はこちら

⇒「イチジクの湯むき方法とコツ

揚げなすの煮びたしの作り方

揚げてから八方だしに浸ける「揚げびたし」の場合も、なすの下処理は同じ方法で皮をむきやすくしておいてください。

揚げびたしのコツとポイント

このあと約160℃の油で下揚げをしますが、油に入れる前になすの中心部を上から下まで突き抜けるよう菜箸を刺して、真ん中にトンネルのような小さい穴を1つ開けておくと、その中に油が入って揚げる時間が短縮できます。

そして、なすが油の中で破裂したり爆発したりするのを防ぐ効果があります。

■ この穴を開けておかないと、なすが油の中で弾けてヤケドをする恐れがあり、大変危険ですから、丸のまま揚げるときは、必ず箸などを刺して空気の通り道を作るようにしてください。

そして、このあと下揚げしたなすを冷水の中に落として皮をむき、余分な水気を十分切ってから、冷やした煮汁(八方だし)に浸けて半日ほど味をなじませると「揚げびたし」の完成です。

注: 油を使うときはヤケドをしないように十分注意して、楽しく調理をしてください。

最後に、なすの色をきれいに出すために使うミョウバンについて少しご紹介したいと思います。

ミョウバンとは?

ミョウバンは古くから井戸水など水の浄化法として清澄剤に用いられており、硫酸アルミニウムと、アルカリ金属、カリウム、アンモニュームなどの一価金属の硫酸塩とで作る復塩で、単にミョウバンと言えばカリウムアンモニュームミョウバンをさすことが多いです。

調理の際の役割としては甘露煮、含め煮の煮くずれを防いだり、なすの漬け物の色を安定化させて鮮やかに仕上げる働きがあります。

そして、これとは逆に緑色の食材をゆでる場合にミョウバンを使うと色が一気に茶色くなってしまいますので、重曹(炭酸水素ナトリウム)と間違えないようにしてください。

「私事で恐縮ですが、この2つを間違えて親方にひどく叱られたことがあります」

また、ミョウバンがないときにアクをとる場合は、なすを食塩水に約10分間浸けておくと色は安定化しませんがアク抜きできます。

今回は、なすの色出し煮レシピを3種類ご紹介いたしましたが、ご家庭で煮物をされる場合は色よく仕上げることはあまり気になさらずに食材を自然のまま調理して食卓に出される方が私は良いと思います。

八方だしを使った煮物一覧

⇒「食材の下ごしらえ一覧

⇒「野菜の煮物レシピ一覧

⇒「魚介の煮物レシピ一覧

⇒「肉類の煮物レシピ一覧

⇒【煮物の語源、由来、雑学一覧】へ

【参考】

⇒「季節別~旬の食材一覧表

⇒「煮物に役立つ飾り切り一覧

⇒「和食の調味料割合と配合一覧

⇒「料理別~煮汁の割合と配合一覧表

煮物作りにお役立てください。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。

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