「イカの煮物をやわらかく煮る方法」
今回は八方だしでイカをやわらかく煮る「吉野煮」をご紹介したいと思いますので、煮物作りや和食の献立などにお役立てください。
イカをやわらかく煮る、吉野煮の作り方
この「吉野」とは葛(くず)を使った料理につける献立名で、奈良県の吉野地方が産地ということからこの名がつけられ、鱧(はも)の煮物や吸い物によく使われます。
■葛粉は原価が高く、材料にまぶす場合は細かく砕く必要があるため、今回は片栗粉で代用しております。
イカに片栗粉をまぶす下処理
■ このひと手間を加えると、煮る時間が短くなり、イカの旨味を閉じ込める役割もしてくれます。
「下処理の方法」
【1】まず、イカを食べやすい大きさに切って塩で軽くもみ洗いし、真水で塩を洗い流して汚れと臭いを取り除いてください。
【2】次に、イカの水けを取ってから、ハケで片栗粉を全体にまぶしてください。
そして、片栗粉をまぶしながら下ゆでの熱湯を沸かしておき、表面の片栗粉を固めて冷水で粗熱を取ると下処理が完了です。
■ いかをやわらかく煮る詳しい内容につきましては≫「イカの煮物レシピ、やわらかく煮るコツ3つ」に掲載しておりますので参考にしてください。
イカを煮る「作り方」
最初に「八方だし」を合わせて、強火でひと煮立ちさせてください。
【八方だしの割合】
だし | 8 |
薄口醤油 | 1 |
みりん | 1 |
■ 八方だしの詳しい作り方につきましては「だし汁とは、八方だしの簡単な作り方」に掲載しておりますので参考にしてください。
【1】下処理したイカを八方だしに入れ、強火のままで2~3分間サッと煮て、アクを取ってください。
【2】このあと、穴の開いたお玉でイカを煮汁から取り出してください。
そして、別の保存容器に重ならないよう移して、煮汁は冷水でひやしてください。
■イカを別の容器に移したときに重ねると、片栗粉がまぶしてありますので、冷めるとくっつきます。
そして、どうしても重なってしまう場合は、八方だしが煮立ったときに、あらかじめ容器に少し入れて冷ましておき、その中に入れるとくっつかずにすみます。
また、イカに火を通すのは2~3分と、短時間ですが、煮汁から上げてからも粗熱で火が入りますので、ちょうど良いやわらかさに仕上がります。
【3】そして、冷めた煮汁をイカの入った容器に注ぎ、半日ほど味をなじませると完成です。
「盛りつけ例」
【関連】写真のごぼうを作る方法につきましては⇒「管ごぼうの作り方手順」に掲載しておりますので参考にしてください。
イカを煮るときのポイント
イカは身が薄いので火の通りが早く、すぐかたくなりますから手早く仕上げてください。
そして、八方だしが少なすぎると、イカにつけた片栗粉が煮汁を吸って切り身がくっつきますので、煮汁はイカの約2倍用意してください。
また、鮮度の悪いイカは片栗粉をつける分、旨味と一緒に臭いも中に閉じ込めますから新しいものを使ってください。
イカの煮物は皮をむかない方が良い!
お刺身や天ぷらの場合は皮をむいてから調理しますが、これは白く仕上げるためにしています。ですが、煮物の場合は醤油で色がつきますので皮をむく必要はありません。
そして、イカのもっている風味は皮の部分に含まれていますから、逆にむかない方が美味しく仕上がります。
【イカの煮物レシピ】
【タコのやわらか煮レシピ】
■ 同じ方法で作れる、たこの煮物につきましては「たこをやわらかく煮る方法、吉野煮の作り方」に掲載しておりますので参考にしてください。
【関連】
⇒八方だしを使った煮物一覧
【参考】
煮物作りにお役立てください。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。