【鯛の子の下ごしらえ】
今回は春が旬の鯛の子(卵巣)を煮るときに臭みを取りのぞく方法とコツをご紹介したいと思いますので、煮物の献立や和食調理の参考にされてはいかがでしょうか。
鯛の子の下処理方法【花煮】
鯛の子(卵巣)の臭みを取りのぞく方法【下処理の手順】
【1】最初に、卵巣の表面にある血管の太い部分に金串や針で小さい穴を開けてください。
そして、爪ようじでやさしくこすりながら、血を穴の外に押し出してください。(細い血管の血は太い部分に送り出す)
■ このとき、爪ようじを血管に添わせながら、寝かせてこすると取りやすいです。
【2】次に、たての切り込みを1か所入れ、皮目が下になるように開いてください。
■ 鯛の子は側面に切り込みを入れると、花煮にしたときの見栄えが良くなります。
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【3】開いた子にうす塩をあてて約30分間おき、余分な水分を取ってください。
下処理の薄塩を振るときのコツ
下処理の塩加減は、晴れた日の夜空に光る星をイメージして、食材から約30㎝離したところから振ってください。
この調理方法は「尺塩」といって、塩が材料全体にまんべんなく振りかけられます。
■ 1尺 = 約 30㎝
※ 塩振りが苦手な方は、蓋に穴の開いた塩専用の容器を使うと簡単です。
【4】このあと、開いた子を3つに切り分けてください。
■ 子が大きい場合は4つに切り、小さいときは2つに分けてください。
【5】そして、酒を少量加えた80~90℃の湯を用意し、湯を3回かえながら1分間ずつ加熱して中まで火を通してください。
【6】最後に、ざる、または裏ごしなどの網に子をのせて、粗熱を利用しながら余分な水けを飛ばすと完了です。
■ コンロがたくさん使える場合は一度に3つの鍋で湯を沸かし、鯛の子を穴開きのお玉で順に移動させると作業が手早く進みます。
鯛の子をゆでるときのポイント
魚の卵巣は臭みが強いですから、1度でゆでずに湯をかえながら数回に分けるとクセが抑えられ、煮上がりの味が上品になります。
また、花煮は熱で皮がちぢんで中の子が外側に張り出すことを利用しますので、熱湯でゆでたり、湯の中で踊らせてしまうと、きれいに咲いた子の花が取れてしまいます。
したがいまして、鯛の子が踊らない80~90℃の湯を使って、できるだけ優しくあつかってください。
そうすると、子が皮からはがれないため、きれいな花煮に仕上がります。
鯛の子を煮る方法の一例
【1】水、だし、酒、うす切りしょうがを鍋に入れ、鯛の子を加えて煮立たせないように温度を上げて、アクを取りながら5分間煮てください。
「水、だし、酒の割合」
水 | 5 |
かつお節と昆布から取っただし | 5 |
酒 | 2 |
※ 煮汁を煮立たせると、表面の子がはずれますので注意してください。
【2】次に、砂糖を加えて、さらに5分間煮てください。
※ 鯛の子を煮るときに「みりん」を使うと粒がかたくなる場合がありますので、甘味は砂糖でつけるほうが無難です。
【3】さらに、塩で味を調節し、鯛の子をおどらせないように20分間煮てください。
■ このときの味の目安は「甘みのある濃いめの吸い物だし」程度です。
【4】そして、仕上げにうす口醤油で色と香りをつけ、さらに5分間煮てください。
【5】最後に、そのまま冷まして味をなじませると完成です。
■ 今回は鯛の子の下処理をご紹介いたしましたが、スケトウダラの子や他の卵巣も手順はほぼ同じです。
【関連】
≫春の煮物レシピ一覧へ
【参考】
他のレシピ等につきましては≫「本サイトの料理内容一覧」に掲載しておりますのでお役立ていただければ幸いです。
次回は違うメニューでお目にかかりたいと思います。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。